TOP対談

【前編】TOP対談 株式会社スターツ代表取締役社長 柴田 育男氏

弊社社長が飲食店経営者に直接インタビュー。そこから繁盛店の取り組みや経営のヒントを切り取ってお伝えします。
第14回は株式会社スターツ代表取締役社長 柴田 育男氏にお話を伺いました。

--飲食業界との接点をもったきっかけを教えてください。
 
(柴田氏)35年前の話になるので今とはだいぶ状況も違いますし、居酒屋の経営スタイルも、自分が始めた時とは全く変わりましたね。当時、自分で何かしようとなった時、僕は飲むのが好きだったものですから「居酒屋だったらできるだろう」くらいの軽い気持ちで目白に店を持ちました。

 
--それは周りの人からのアドバイスによる出店決意だったのですか。
 
(柴田氏)いいえ、自分で決めました。今後の人生これで勝負をかけていこうと。それまで飲食業の経験は全くなかったんですけどね。ただ、飲みに行っているお店のような感じだったらできるだろうと、根拠のない自信があって安易な気持ちで始めました。
メイン料理は串にしました。今のように巻き串に特化していたわけでなく、いろんな種類、焼き鳥なども提供していました。多くの友達が来てくれて、最初の2、3ヶ月はすごく忙しかったんですよ。

--実際、目白は思惑通りのスタートになりましたか。
(柴田氏)良い立ち上がりだったのですが、友達が一巡したらぱたっと売り上げが落ち、支払いも伸ばしてくださいと言うほどでした。これではいけないと、ランチも始め二毛作営業にしたところ好評で、夜もだんだん地元の人に認知されお客様が広がっていきました。それで再度夜の営業だけに絞ることにしたんです。ランチをやめてその時間を仕込みに当て、夜の営業をちゃんと伸ばしていけるような体制に整えました。

--営業の時間帯を絞ってみていかがでしたか。
(柴田氏)上手くいきましたね。順調に伸びて行きました。僕の地元が新宿ということもあり、いつかは出したいなという気持ちでいたのですが、目白に出店から4年経った頃、新宿西口店という小さなお店を持つことができました。それで、目白と西口店の2店舗で8年ですね。ただ、目白の方はオーナーと揉めてしまい、啖呵切って辞めますと言ってしまったんです。困ったなと思っていた矢先、たまたま今の本店の物件を紹介してもらえることになりました。ですので、目白をそこに引っ越した感じですね。業態は居酒屋でしたが店名は最初から「串タロー」だったので。

--12年で目白に幕を閉じその後は?
(柴田氏)西口、本店、3号店となる別館の出店ですね。そのあと4号店を歌舞伎町に出しました。大箱だったので屋号も「串蔵」とし、メニューも少し変えました。このお店をオープンする時から、柴田屋との取り引きが始まったんですよ。10年続けましたが場所柄の問題もあり、閉めるか決断の時がきました。同時に、業態を絞り込むかどうか熟考のタイミングになりましたね。絞り込んだり深堀りしたほうが順調に売り上げが伸びたので「そういうことか」と。
--そこから具体的に何を行っていったのでしょう?
 
(柴田氏)巻き串に特化し専門店になろうとメニューを見直し、巻き串一本にできるだけ絞るようにしました。特に野菜はオリジナルや旬、無農薬や有機に括って調べたり。生産者さんから直接仕入れさせてもらうことで僕らの知らない情報を得て、それらをお客様にお伝えしていく。それがお店に来て喜んでいただける、付加価値につながるのかなと考えました。体にいいものを提供したいという思いから、無農薬や有機栽培の野菜という答えに行きつきましたから、うちの料理を食べてお客様に元気になってもらえるのが一番ですね。
 
--産直という川上に上ることで商品の価値に上乗せして、業態を深堀していくということですね。それはメニューの打ち出し方を見ても表れていると感じます。
 
(柴田氏)価値訴求の方法の一つとして、お客様には“串からはずさずに召し上がってください”と、食べ方もお伝えしています。巻き串は食材に薄い豚バラ肉を巻いているのですが、950度という非常に高温で焼きます。豚バラの余分な脂はさっと落ち、必要な旨みが短時間で野菜に入る。なので素材本来の味わいが引き立つんです。また、僕たちは見た目にもこだわっています。それを串からはずしてしまうと、視覚から得る美味しさも半減してしまう。今何を食べているのか、存分に味わっていただきたいので、そこはしっかりお伝えしています。
--焼き方一つとってもこだわりがあるのですね。見た目も重視とのことですが、仕込みの段階からでしょうか。
 
(柴田氏)はい。品質の均一性を保つため各店舗で仕込むのではなく、一箇所でまとめて行います。僕も毎朝串を打つんですよ。また、1,2種類は覚えられても全てをとなると時間がかかりますし、スタッフ全員となれば尚更です。それは効率的ではないと考え、仕込みは専門部隊が行って、営業に専念する人は別と住み分けをさせています。さらにその日仕込んだものは即日出すことも徹底しています。
 
--ドミナント展開は品質保持という点でも役立ちますね。
 
(柴田氏)そうですね。食材を店舗間で回せるのは大きいです。ただ、近場にお店を出す一番の理由はお客様です。おかげさまで入りきらないという状況になりました。店舗を増やしたことで席の空いている店舗へご案内することができます。また、近いメリットは人件費の部分でもあって、ピーク時間に合わせてスタッフを移動させ対応することができるんです。食材、人材と、ドミナント展開のメリットは多くありますね。
 
--食材それぞれに関してもこだわりが感じられます。
 
(柴田氏)肉の厚みにしても巻くものとのベストのバランスを考え決めた数値です。薄ければいいというわけではなく、指定の厚みがあります。長年付き合いのある肉屋さんに頼んでいますが、相当技術のいることです。
ドリンクにも旬を感じられるものを採用するようにしています。農家さんと付き合っているなかで、季節の果物もどうにかならないかといわれたのがきっかけです。主要な種類は決まっていますが、その時々で採用になるものもあります。
 
飲食経験ゼロとまったくの未経験から、巻き串に特化した業態づくり。そこには、お客様に食べて元気になってもらいたいという思いがありました。次回、社員教育やドミナント展開、コロナ禍での今後の構想についてお伝えします。

株式会社スターツhttps://www.starts-kushi.com/

 
■串タロー本店  
所在地:東京都新宿区新宿3-35-10 朝賀ビル2F
電話番号 03-3226-9433
営業時間<通常時>
月~日、祝日、祝前日: 17:00~翌0:00 
(料理L.O. 23:00 ドリンクL.O. 23:00)
定休日:無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間・定休日が記載と異なる場合あり

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