TOP対談

【後編】TOP対談 株式会社スターツ代表取締役社長 柴田 育男氏

~前回から続いています~
 
--串タローといえば辛味噌も名物です。
 
(柴田氏)創業当時からありますがブラッシュアップは常に欠かしません。素材を引き立てるのは塩だと考えますので、巻き串は塩味のみ。そこにアクセントとして加えてもらえるよう開発し、串を味噌で食べるスタイルを提案しています。以前は辛いほうがパンチがあっていいと思っていたのですが、お客様から辛すぎるという声があって。辛さを抜くと味がぼやける分ごまかしがききません。なので味の構成をしっかり設計するのが大変でしたね。深みを出すために麹を加えたり、唐辛子は生と乾燥両方を使用するなど工夫しています。
 
--進化していく過程で大切にしたことはありますか。
 
(柴田氏)常連さんが多いのですが、串を食べるならうちに絶対来てほしいという思いでやってきました。その方たちが週一回来ても飽きないようなメニュー構成になるように、季節性を持たせるため短期間だけ出回る野菜を使ったものを加えることで、定番だけでない楽しみを味わっていただこうと。値段に関しては、食材の高騰などありますが、店舗を増やすことでバイイングパワーを増すことを柱として考えています。ですので、すぐにメニューの価格に反映されることが無いようにはしていますね。35年前から変わっていないものもあります。
 
--社員とのコミュニケーションに関してはいかがでしょう。
 
(柴田氏)教育に関しては、技術的なものはマニュアルがありますのでそれに沿って行います。飲食店で働くのって、一見ルーティーンに見えますが、細かく見れば同じ日は一日もありません。僕たちはお客様に感動してもらうことを理念に掲げていますので、一人ひとりが問題意識をもって、どう接客したら、何に気を配ればより良くなるかということを一番大切にし、それをチームで取り組むことにしています。
新入社員に最初に言っているのは「元気・活気・スピード」です。この3つのワードがそろった雰囲気のなかでお客様には食べてほしいですし、そういう活気があるのがいいお店だと思っています。なかでも僕たちが大事にしているのがスピードです。ドリンクは頼まれたら美味しい状態でさっと出す、それをチームワークで実現し、差別化していこうとこだわっています。注文した方もすぐに出てくると嬉しいですし、加えてスタッフも緊張感をもってホールに立つので、お客様にも目がいくようになるという利点があります。ぜひ他のお店の方もスピードは意識していただきたいなと思います。どんな業務も早くて悪いことはないですよね。
 
 
 
--3つのキーワードは、スタッフのみなさんにどのように浸透させているのですか。
 
(柴田氏)入社時はもちろん、店舗での朝礼、終礼でもトピックスとして取り上げます。毎日反省、改善の繰り返しです。そこでキーになるのが店長の存在です。店長は挙手制で、最終面談を僕と行って決めます。途中入れ替えもあるので、一度店長に就いたからといってあぐらをかいてはいられません。また、数字もついてきますので、各店個別に月一、予算を達成するための打ち合わせを店長、マネージャー同席で行います。そのなかで、店舗ごとに対する僕の考え方も伝えるのですが、立地やスタッフの熟練度で言い方も変えています。マンスリーのよさは数字を追う点で発揮されますね。目標を5だとし、結果が4だったとします。そこで足らなかった1が何故なのか、検証することが大事なんです。逆に6になったらその理由も追求しないとなりません。理由をはっきりさせることが大切です。
 
--スターツイズムは店長を通して店舗に落とし込まれるということですね。
 
(柴田氏)そうですね、マンスリーに加え週一回全店の店長が集まるミーティング、そして年に一回4月にキックオフを全社員参加で開催しています。1年間の総括、今年度の計画を僕が伝え、テーマを決めてマネージャーが今期の目標を宣言します。かれこれ15年以上続いていますね。
--コロナ禍で変化した点はありますか?
 
(柴田氏)変わらないのはこれからも新宿にこだわることですね。お客様が入りきらないなら、それを送客できる店舗を作るまでです。考え方を変えなくてはならないのは、この先完全にコロナ前に戻るとはないでしょうし、戻るとしても数年かかる。それを待っているわけにはいきませんから、3回転を基準にしていた回転数を見直さなくてはならないと思っています。相席や時間制限といったスタイルも変化するでしょうね。ということは前と同じでは無理ですから、販管費を圧縮し、オペレーションを見直し労働生産性をアップさせ、損益分岐点を下げる必要がある。そうすることで100%戻らなくても店舗を増やせると考えます。売り上げ80%でも伸びていく戦略を作っていかないと、と思っています。
 
--売り上げで2割を埋めるのではなく、既存のやり方を見直して経費を圧縮する。それによりさらにお客様に必要とされるお店を出店していくということですね。
 
(柴田氏)下げるには限界はあると思いますが、そのなかでも可能性があるのは人件費です。これまでの経験を活かした人員配置と、ドミナント展開の利点をフルに活用する。あとは仕入れの適正在庫、回転率を重視することですね。
--今後の目標や商売のモットーをお聞かせください。
 
(柴田氏)自社農園を作りたいですね。いくつかでも「自分のところで育てたものなんですよ」とお客様に提供できたら嬉しいですし、ひいては社員のためでもあるんです。職場と家をただ往復する毎日より、野菜の世話や収穫体験ができれば、スターツには仕事以外にもわくわくできることがあると、働いていて充実しますよね。家族ぐるみで 楽しめる、働き甲斐のある会社にしたいです。
モットーは、やっぱり僕らはお客様なしでは何も考えられないので、「お客様に喜んでいただく=感動していただける」よう常にチャレンジしていくことですね。到達するのは簡単なことではありませんが、それを喜びと感じて、あきらめず挑戦していきます。

 
お客様に喜んでいただきたい、その想いは創業当初から続くメニューを進化させることにも反映されていました。また、ドミナント展開には、食材、スタッフ、お客様の受け入れと、経営の軸になるすべてに相乗効果が生まれるのだということがよく理解できた時間になりました。柴田社長、ありがとうございました!
株式会社スターツhttps://www.starts-kushi.com/


■串タロー本店  
所在地:東京都新宿区新宿3-35-10 朝賀ビル2F
電話番号 03-3226-9433
営業時間<通常時>
月~日、祝日、祝前日: 17:00~翌0:00 
(料理L.O. 23:00 ドリンクL.O. 23:00)
定休日:無休
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